「自分の会社の名前で検索しても、ホームページが出てこない……」
これは、Web担当者にとって心停止レベルの緊急事態です。 社長からは「金払って作ったのにどうなっているんだ!」と怒鳴られそうだし、業者に電話しようにも専門用語がわからず言いくるめられそう。 そんな板挟み状態で、夜も眠れない社長やWEB担当者の姿が目に浮かびます。
でも、まずは深呼吸してください。 今すぐ制作会社に怒りの電話をかけるのは危険です。なぜなら、原因の3割くらいは「自社のうっかりミス(自爆)」だったり、単に「待てばいいだけ」のケースだったりするからです。
この記事では、まず状況を冷静に切り分け、業者を疑う前にチェックすべき「自爆ポイント」を解説します。 その上で、どうしても業者の対応が必要な場合に使える、プロ顔負けの「調査依頼メール雛形」を差し上げます。これをコピペして送れば、もう「素人だから」と適当な言い訳をされることはありません。
【診断】その「出てこない」は、どっちのパターン?
一口に「検索に出てこない」と言っても、実は2つのパターンがあります。これによって緊急度と対応策がまったく異なります。
パターンA:会社名・店名で検索しても出ない(緊急度:★★★)
「株式会社〇〇」や「〇〇運送」といった、御社の固有名詞(指名検索)で検索しても1ページ目に出てこない状態です。
これは緊急事態です。 通常、競合他社が自社の名前を使うことはないので、指名検索なら簡単に1位になれるはずだからです。これが出てこないということは、Googleにサイトの存在自体が認識されていない(インデックス未登録)か、何らかのペナルティや設定ミスで「消されている」可能性があります。
既存顧客や求職者が会社を見つけられない状態ですので、早急な対応が必要です。
パターンB:地域名+業種で検索しても出ない(緊急度:★☆☆)
「横浜 運送業」や「大阪 美容室」といったキーワードで検索しても出てこない、あるいは順位が低い状態です。
これは「サイトは存在するが、Googleからの評価がまだ低い」だけです。 特に公開から3ヶ月以内であれば、この現象は普通です。また、ライバルが多い地域や業種であれば、簡単には上位に来ません。
社長は「検索に出ない!」と怒るかもしれませんが、これは「故障」ではなく「実力不足(SEOの問題)」です。焦って業者を詰めるよりも、じっくりとコンテンツを増やしていく必要があります。
業者を疑う前に!「支払い」は済んでいますか?
制作会社に「検索に出ないんですけど!」と勢いよく電話して、「社長、ドメインの更新費用の引き落としができていませんでしたよ……」と言われたら、恥ずかしくて穴に入りたくなりますよね。
実は、検索に出ない原因のかなりの割合が、この「自爆」です。メールを送る前に、以下の3つだけは絶対に確認してください。
1. ドメイン・サーバーの「更新忘れ」
ホームページの住所である「ドメイン(.comや.jp)」と、土地である「サーバー」は、通常1年ごとの更新契約です。
- 更新費用の請求書が、経理の書類の山に埋もれていませんか?
- 登録しているクレジットカードの有効期限が切れていませんか?
- 社長のメールアドレスに「【重要】契約更新のお知らせ」というメールが届いて放置されていませんか?
もし料金未払いだと、サイトは強制的に非公開になります。まずは自社の通帳やカード明細を見て、引き落としがされているか確認しましょう。
2. SSL有効期限切れによるブロック
サイトを開こうとしたときに、「保護されていない通信」や「この接続ではプライバシーが保護されません」という怖い警告画面が出ませんか?
これは、通信を暗号化する「SSL証明書」の期限が切れている状態です。 これも更新費用が必要なタイプ(有料SSL)の場合、支払いを忘れるとこの状態になります。Googleはセキュリティを重視するため、SSLが切れたサイトを検索結果から隠すことがあります。
3. 公開設定の「チェックミス」
もしWordPressを使って自社で更新しているなら、管理画面を見てください。 「設定」>「表示設定」の中に、「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」という項目があります。
サイト制作中はここにチェックを入れるのですが、公開時にこのチェックを外し忘れるというミスが、プロでもたまにあります。 もしここにチェックが入っていたら、Googleに対して「私のサイトを検索に出さないでください」と全力でお願いしている状態です。すぐにチェックを外して保存してください。
【コピペOK】制作会社・管理会社への「調査依頼メール」テンプレート
自爆チェックもクリアした。それでも検索に出てこない。 いよいよ制作会社や管理会社に連絡する時です。
しかし、ただ「検索に出ません」と送るだけでは、「調査します」と言われて放置されたり、「Googleの仕様です」と丸め込まれたりします。
そこで、相手に「この担当者、もしや詳しいのか……?」と思わせ、背筋を伸ばさせるための「魔法のメール雛形」を用意しました。状況に合わせて使い分けてください。
パターンA用:指名検索でも出ない時の「詰め」メール
このメールの目的は、「noindex(ノーインデックス)」と「インデックス登録リクエスト」というキラーワードを使い、技術的なミスがないか強制的に確認させることです。
件名:【至急確認依頼】自社名検索でサイトが表示されない件について 〇〇制作会社 ご担当者様
お世話になっております。 株式会社〇〇の佐藤です。
現在、弊社サイトが「(会社名)」で検索しても結果に表示されない状態が続いております。 社内でも確認しましたが、以下の点について至急調査をお願いできますでしょうか。
- サイトのソースコード内に誤って「noindexタグ」が入ったままになっていないか
- Googleサーチコンソールにて、「手動による対策(ペナルティ)」の通知が来ていないか
- Googleサーチコンソールにて、「URL検査」および「インデックス登録リクエスト」は実施済みか
特に3点目について、実施済みであればサーチコンソールの画面キャプチャをいただけますと幸いです。 取引先からも「ホームページがない」と連絡を受けており、困っております。 恐れ入りますが、〇月〇日までにご回答をお願いいたします。
パターンB用:順位が低い時の「相談」メール
こちらは緊急ではありませんが、放置されるのを防ぐためのメールです。「XMLサイトマップ」という言葉を使い、「SEO対策をちゃんとやれ」とプレッシャーをかけます。
件名:【ご相談】検索順位の状況と今後の対策について 〇〇制作会社 ご担当者様
お世話になっております。 株式会社〇〇の佐藤です。
サイト公開から〇ヶ月が経過しましたが、「(地域名)+(業種)」などのキーワードで検索しても、まだ弊社サイトが表示されないようです。
SEOには時間がかかることは承知しておりますが、現状のGoogleへの認識状況を確認したく存じます。 お手数ですが、以下の2点についてご教示いただけますでしょうか。
- 「XMLサイトマップ」の送信は正常に完了しているか
- 現在の検索順位の推移状況(もしレポートがあれば)
今後の集客計画に関わりますので、現状どのような対策を行っていただいているか、簡単で構いませんのでご報告をお願いいたします。
業者からこう返ってきたらどうする?
上記のメールを送っても、業者から「もっともらしい言い訳」が返ってくることがあります。 Web業界特有の言い回しに騙されないよう、翻訳機と反撃フレーズを持っておきましょう。
言い訳1:「Googleのアルゴリズム変動の影響で、不安定になっています」
- 心の翻訳:「今は何も原因がわからないし、面倒だから様子を見たいなあ」
- 対策:確かに変動はありますが、指名検索で圏外になるほどの変動は稀です。「変動は理解しましたが、念のため『カバレッジ(ページのインデックス作成)』のエラー状況だけ確認してスクショをください」と返しましょう。エラーがなければ待つしかありませんが、エラーがあれば業者の作業ミスです。
言い訳2:「作りたてなので、反映には数週間かかります」
- 心の翻訳:「Googleが見つけてくれるまで待っててね」
- 対策:これは半分正解です。しかし、2週間経っても会社名で出ないのは遅すぎます。「では、Bingなど他の検索エンジンでは表示されているか確認していただけますか?」と聞いてみましょう。もし他でも出ていなければ、サイトの構造自体におかしい点があるかもしれません。
まとめ:検索に出ないのは「守り」の不備。管理体制を見直そう
ホームページが検索に出てこないトラブルは、目に見えない分、とても不安になります。 しかし、今回ご紹介した手順で一つひとつ確認していけば、必ず原因は見つかります。
- まず「指名検索」か「SEO」か、緊急度を見極める。
- サーバーやドメインの「更新忘れ(自爆)」がないか確認する。
- メール雛形を使って、業者に「専門用語」で問い合わせる。
もし、あなたが送ったメールに対して、業者が誠実に対応してくれなかったり、いつまで経っても説明が曖昧だったりする場合、それは技術の問題ではなく「契約する相手を間違えている」可能性があります。
アルウェブでは、そのような「守りのWeb」に不安を抱える中小企業のために、契約書のチェックポイントや、信頼できる業者の選び方などの情報も発信しています。 サイトが表示されたら終わりではありません。そこからがスタートです。まずはこのトラブルを乗り越え、足元を固めていきましょう。
